発電所−水路−取水堰堤
たとえこれだけの距離であっても、里山とはちょっと違う。
南紀の山、と言う感じ。取水の場所まで行こうとすると
ちょっと覚悟がいるか。でも滝を見に行く人は平気で
登っていく。

ここは、かつては本気の発電所が有った。
いまも本気の発電所だけど、ただ「小水力」なん
だよな。

エネルギーを生み出す、ということは今も昔も浪漫だから
人々の熱き思いが乗っかっていることに変わりはない。
だけど、なんとなくやっぱり、今の方が何でも安易な感じが
拭えんな。実際、技術が向上して、人々の思い入れは
昔とは違うのだろう。「寿命」に対する考え方もかなり変遷
しているように思う。それは今の発電所の姿を見たらすぐに
感じることだ。

過去の設備を出来るだけ活用し、昔では考えられない
ような合理化でコスト削減を図り、小水力発電を実現
させている。

昔の発電所がどこに建っていたのかはわからないが、
水圧鉄管や水路の経路は活用されているのだから
現在の場所とそう違いはしないんだろうな。

これが現在の姿だ。

どう? 終わりを迎える時をどう考えているか。
写真ではわからないね。
現地で見て、有る意味感心したよ。

新しさと古さが合体している。



建物の横はハイキングコースのルートになっている。
滝へ行くコース。滝と言っても、鳴谷の一の滝へのルート。
これはまぁハイキングと言っても良い。





水路の水平部は遙か彼方だ。



いつものように何も調べずに来ているから、一の滝
まで行けば取水まで巡視路でも有るだろう、と思っていた。
(つまりそれは間違いだと言うことなんだけどね。)

とにかく一の滝に向かう、の図だ。
滝まで650m。まぁまぁすぐ、のレベルだ。






ちょっと良い感じの場所も有る。




15分も歩けばもう滝が見えてくる。
だけど・・・無いんだよね。巡視路。

あな美しき。

仕方なく戻ってきた。
どやって点検行ってんだ?

ひょっとして、あの道中に有ったあいつか?

んん?みかんでも運ぶのかと思っていたこいつ。
発電所よりもこいつの方が先にトラブりそうやんけ。
でもこれしか考えられんな。

ということは、これが巡視路か。

おっ、やっぱりこいつが巡視に活躍していることは
間違いないな。・・・だけど巡視路が見あたらんな。


う〜ん。強行。

登ってきた。強行。いや、難航。笑っちゃうくらい。
道が無いんだから。
決して勝手にエンジンかけて登ってきたんじゃない
からね。




ほうほう、これがさっきの絵にヘッドタンクと書いて
あったやつやな。







こっからは、もう楽勝(のはず)だからな。

旧水路に配管通してある。なぁるほど。
まぁ最近の小水力でよく見る手法やな。
この上を歩いて傷めたらいけないから、端っこを
歩く。




ところどころこの配管が傷んで、水漏れを起こしている。
そりゃそうだろうな。落石が有ったら一発やがな。




想定通り水平部は楽勝で進んで取水に到着。





現代風とは程遠い、再利用っぷりで良い感じだ。




水の色がきれいだ。

上流側から堰堤を見る、の図。左から来たのだが、
右にも巡視路が見える。









この後、幻の滝を二つほど。で、別ルート開拓、と思って
途中の沢を強行下ってきた。私のいつもの定番。暗闇を
降りてきた。

電気作ってるくせに真っ暗じゃね〜か。ったく。
