たまにそう思う時がある。
電力王 とか 電気王 などと呼ばれた人だ。
だが電気が好き、と言うより先見の人だったに違いない。
重要なインフラを生んだけでなく、私のようなダムや
水力発電所を見るのが単純に好き、という病的な
ファンをも多く生んだ。
何度となく会いに行った。
同じ世間を見、自然を見て、常人とは全く違った先見を
持った視線で世界を見ていた桃介の偉業とあまりの
ギャップに浸りに行くのだ。
でも出会いが実現しなかったこの時ついでに行った
ロープウェイがなぜか今も印象に残り続けている。
何も今更私がアップしなくても・・とも思うが、私にとって
は貴重な思い出となっている。
↓ 渓谷と緑と浪漫の郷 恵那峡 恵那峡周辺マップより

空を見るとロープが見えているのだから、場所はすぐにわかる。


河岸から上がって行く形で訪れたのだが、営業中のメイン
ルートがここだったかどうかはわからない。上からかも
しれぬ。2000年休止だからそんなに昔のことではない。
現役時代を記憶している方も多いことだろう。

腐りかけの通路を横から見たところ。


恵那峡ランド行き。
恵那峡ランドは現恵那峡ワンダーランドの前身にあたる。
かわいい丸い絵の通りのゴンドラに会えると思うと、かなり
気持ちが高ぶってきた。




後でここから入ったが、まずは上まで行ってみた。



ここは出口だったようだ。そう看板に書いてある。





先ほどの場所まで戻って、中に入ってみる。

改札がある。

でも中でお金を払ったのか。


待合か、売店でもあったのか。

なんでこんなところに操作盤が?と思ったけれど・・・

こういうことだったのか。
1969年から、か・・・ 結構歴史が有ったんだな。
1997年で新しくして、2000年に閉鎖、か。

盤の上に無造作にポンと写真のパネルが置いてあった。








どれくらいのにぎわいを見せていたのだろうか、と
感慨に浸る。



廃な中に鮮やかな色が出現すると違和感がある。
もちろん造花だ。

ちょっとした小部屋には当時の備品が集められていた。
「本日入園無料」なんてのもある。



乗り場に向かって建物から出てきたところ。

階段の屋根のテントが破れてしまっている。

感動のご対面を想定していたのに、こんなところで
もうゴンドラと対面してしまった。



このゴンドラ、なかなか良いし、もったいないな、と思った。


廃なものに惹かれる理由の説明は難しいけれど、
そしてこの雰囲気を伝える写真の技術は持ち合わせていない
けれど、「独特の背徳感」ということでいいのかな、なんて
思って見ていたのをいま思い出した。

発着場のもう一つにはゴンドラは停まっていない。
対岸に有るのだろうな。



建屋の外に出ることができる場所が有った。

ちょっと出てみる。

操作室にも入ってみた。

引出が少し開いていて、緊急時の対応が書かれていた。
廃虚で、私は何も触らない傾向が有って(努めてそうしている
わけでも無いのだが)いつも後悔する。もっと見ておけば
良かった、貴重な記録だったんじゃないか、とか。




風速切換なんてのもある。運転速度が変わるのだろうか。


それにしても、見飽きないフォルムだ。




カメラを押し付けての中の様子。







ここから対岸のゴンドラは見えない。

船着き場のロープの真下まで来てみた。

対岸の方が綺麗に保たれているように見えた。



