私は鉱山を見ているのが大好き。セメント鉱山ももちろん
例外ではない。
「あ〜あ、あんなに山を削っちゃって」
とか、伊吹や藤原の山容のことを言う人が居ても、だ。
私は山が好きだ。
そして私は環境保全に関する仕事をしている。
そう考えると鉱山が好きだ、などと言っているのはいささか
矛盾をともなっているように思える。
しかし、環境保全を考えれば考えるほど、それは誰のため?
に始まり、行きつくところは人間様の都合の良い言い訳に
たどりつく。
少しの安心材料として、人間は優秀だから言い訳を隠れ蓑
にしながらも技術革新をしながら、少しでも環境に良いものを
確立してきた、ということくらいだろうか。
そんなことをつらつら考えているうちに御幣川(おんべがわ)
沿いに来ていた。
場所はこのあたり。地図ってのは見てるだけでそそられる。
さて現地。
横に広がっているのはここ。
石鈴産業 庄内砕石工場 と書かれているのが見える。
望遠で見る。上下に坑道でもあるのだろうか。
それらしきのが見える。
その横、少し遠くにも鉱山が見える。
こちらは三星砿業、と書かれているが、石鈴産業と書かれている
ほうと敷地内でつながっているようす。
今から行く石大神(しゃくだいじん)はこちらの方にある。
石大神の眺め。小岐須渓谷山の家の駐車スペースあたりからの
眺めが一番良い。ここには案内の看板もある。
看板には以下のように書かれている。
「県指定文化財・天然記念物
石大神(しゃくだいじん)
平成八年三月七日指定
所有者 椿大神社
鈴鹿山脈には断層によって形成された
断層微地形「ケルンバット」(分離丘陵)
が点在しています。
「石大神」は、その南西側の鞍部を通
る断層により形成された「ケルンバット」
であり、その構成岩石の大部分である
石灰岩が溶食作用を受けて生じた急峻で
錘状岩柱形の岩峯地形です。
このような自然景観は、県内において
当地のみに見られるもので、古代から信
仰の対象にもなっており、敏達天皇が行
幸されたという言い伝えもあります。
平成十二年三月
三重県教育委員会
鈴鹿市教育委員会 」
「あ〜あ、あんなに山を削っちゃって」
でもあなたの生活にセメントの無い暮らしは考えられ
るの? と言われたらその答えに窮する。
私達は過去の歴史の上に生活している。歴史を残す
べきか否か、といった問答に打ち勝って平成八年三月
県指定文化財・天然記念物に指定された。
これにより余程世情が変わらぬかぎり、石大神はこれ
以上削られることは無くなるだろう。
危うきを切り抜けて聳えるその姿はやはり神々しいものが
ある。
現在はもう採掘もされていない。
私の好きな鉱山廃墟と化していく。
緑が復活するのはいつになることか。
ここに並んでいたいくばくかの運搬機器達はすでに撤去
されているようす。
しばらく望遠で。
石大神頂上へのルートが見える。
石大神の頂上。
石大神は山全体が御神体である。だから勝手に登ったりしてはいけない。
じゃあどうしたらいい? GOOGLEを見る! 正解。
きれいな穂高を見たいならあなたはどうする?
私は穂高の向かい側に有る蝶ヶ岳に登って穂高を眺める。絶景。
石大神の頂上は、きっと鳩ヶ峰に登ったらきれいに見えるに違いない。
入道ヶ岳からの眺めは多くの登山者が投稿されているから
あえて鳩ヶ峰。
でも面倒だから鳩ヶ峰の頂上までは行かない。すでに石大神が足元に
見え始めた。
ちなみにかなりの望遠。
三角点はどこだ?
御神体にお似合い?
岩にとりついた。
石大神は山全体が御神体である。勝手に登ったりしてはならない。