いるのですが、実際はまだ結構あります。
まだまだ谷までは高度差があります。
雨もほとんど気にならないレベルになり、ひと安心
といったところ。
折尾谷から約1時間くらい歩いたでしょうか。
水平歩道は水平ではなくなり、アップダウンが
出てきます。
いったんここを上がります。
そしてまた下りる。
やがて阿曽原温泉小屋が見えてきました。
その奥には隧道らしきのも見えます。
普通に歩いて、あの隧道にたどり着くルートは
今は無いように思います。
ズームアップします。
20年ぶりに見る阿曽原小屋です。ちょっとだけ配置が
変わったと思います。
洗い場と昔のトイレと簡易の浄化槽になってる
のでしょうか。
さて、しかし小屋までまだもう少し距離があります。
小屋から1段下が幕営場所です。もうすでに一張居ます。
シーズンだとここがテントで一杯になります。
もう着いたも同然、という気持ちですが、気を許す
ことなく、残りの道のりを急ぎます。
阿曽原温泉まで急降下していきます。
昔の水平歩道も残っていたりしますが、寄り道は
しません。
もう小屋とほぼ同じ高さまできました。
しかし、ちょっと下がって、小屋まで上がらなければ
なりません。
ここ阿曽原も泡雪崩の被害の有った場所です。
防雪の為のコンクリート壁でしょうか。高熱隧道建設
当時の物だと思います。
阿曽原温泉小屋よりもはるか下に湯気が上がって
いる、あそこが阿曽原温泉です。
コンクリート壁を見ながら、あと少しの道のりを行きます。
まずは幕営場に到着します。
ここから上ってきました。
これで本当にもう到着と言って良いでしょう。
奥に小屋、右にトイレ、左の斜面を下りると
温泉です。
ここは昔と変わっていないようです。
洗い場。
浄化槽。
洗い場の横には穴があります。
そう、これは一般者は乗せてもらえない関電専用鉄道の
阿曽原駅出入り口なのです。
例によってちょっと隙間撮り。
ここから温泉へ降りていくようになっています。
5〜10分も降りたところにあるのです。
宿泊者は無料で入れます。
入浴時間が男女別に入れ替わっているので、
時間確認が必要です。
問題は温泉に入った後、またここを登ってくるわけで、
小屋に着いたころには一汗かいてしまって、もう一回
温泉に入りたくなってしまうところですかね。
最後の一登り。小屋へ向かいます。
建設当時の宿舎跡の基礎の上に建っています。
雨に降られたり、猿にどつかれたり、と散々でしたが、無事
15時過ぎ到着。
小屋のレイアウトはちょっと変わって手前が受付のように
なっていました。ご主人も20年前の原田さんから佐々木
さんに代わっていました。
佐々木さんは元富山県警山岳警備隊のご出身なので、
こんな雨の日に歩いてくる馬鹿にお叱りを受けるんじゃ
ないかと思ってましたが、佐々木さんのような山男には
こんな天気なんて、良い天気の部類のようでした。
ちょっと安心。
着くなり、「女性客の到着が遅れてるから、温泉に入って
きなよ」、と言っていただき、喜び勇んでカメラ持って温泉
へ飛んでいきました。
下りだから楽勝で到着。
すでにお二人おられました。お二人とも60代、大先輩
でした。一人はテントの主です。縦走されているようで
した。すごい。
お二人が温泉から出られてからは、まさに貸切り。
結構ゆっくりしてから、撮影タイムに入りました。
ちょっと角度を変えて。
阿曽原駅の入り口隧道よりもかなり下にあるこの隧道。
トンネル掘削時には160度にも達した岩盤を掘っていく
大変さを体験できる場所です。
高熱隧道につながる横坑。
坑夫たちが行き来した当時に思いを馳せながら
ちょっとだけ中へ。しかし尋常な温度では有り
ません。このまま進んでいく勇気などありません
し、すぐに出てきました。
その隧道からお湯を引いてきている温泉な
わけです。
さて、温泉から小屋へ戻ります。
こんな斜面を。
小屋まであんなにあります。一汗かきました。
宿泊料金を払って中へ入ります。
本日の宿泊者は6組しかいません。
9月なのですが、阿曽原温泉にとってはシーズンでは
ないのです。
山小屋というと雑魚寝のイメージですが、一部屋二人
の余裕の宿泊です。
この小屋はシーズンオフには泡雪崩などの被害を
受けないよう、毎年解体してしまうのです。
この廊下右には飯場跡の隧道があり、そこが荷物の
乾燥場になっていますが、そこが解体した小屋の格納
場所になるそうです。
ここです。
部屋に入ったところ。
天井はツーツー。
簡素だと言っても、毎年組立、解体を行うのは大変な
ことだと思います。
窓から谷を見下ろしたところです。
単管足場が残っています。
客入りの推移に合わせて変化してきた名残
でしょう。
うまい夜飯とビールを飲んで、ご主人の佐々木さんが
出演されたビデオなどを観て宿泊客らとの楽しいひと時
を過ごしました。佐々木さんの巨体が軽々と日電歩道を
走り抜けている姿には感動しました。
奥様のお話によると、山岳警備隊だったご主人、
いずれは里で警察官をやらなければならないのがイヤ、
要するに山を下りるのがイヤで山小屋の主になったの
だそうです。本物の山男だわ。奥様も十分山を愛して
おられる風で、いい感じでした。
さてあくる朝5時過ぎです。山の夜明け。
かつてはここに6階建ての宿舎が有ったのでしょう。
さてこれから仙人谷ダムへ向かいいます。
今日は昨日と打って変わって良い天気です。